2019年12月06日
2019年11月12日(火)~14日(木)、パシフィコ横浜(神奈川県)にて第21回図書館総合展が開催され、八王子キャンパスの図書館である帝京大学メディアライブラリーセンター(MELIC)と共読サポーターズの学生が参加しました。
図書館総合展は今年で21回目を迎えた図書館関連業界最大のイベントで、館種を超えた図書館界全体の交流?情報交換の場となっているほか、都市計画?行政関係、教育関係、出版をはじめとするメディア?情報関連業界を巻き込む一大イベントとなっています。MELICと共読サポーターズはフォーラム発表やビブリオバトル、ブース展示などを行いました。
11月12日(火)は、『【実録】読書で始める学修支援戦略-読書術アプリの授業展開から見えてきたもの-8年間の記録と考察』と題し、MELICの職員とゲストスピーカーとして本学医療技術学部スポーツ医療学科健康スポーツコース教授 蛭間栄介が登壇し、読書術コースを授業でどのように活用したのか、学生にどのような変化が起きたのかを中心に、8年間の成果をトークライブ形式で発表しました。読書術コースは1冊の新書を使って、オンライン上の8つのミッションに取り組みながら、情報の入手?組み換え、アウトプットまでの一連のプロセスを体感できる情報編集のレッスンです。今や「本は読めて当たり前」ではない大学生にとって読書術コースは読書への入口となり、学習基礎力?情報編集力を身につける第一歩として成果を上げていることを報告しました。また蛭間教授は、コース導入の経緯、教員や学生の反応、さらには読書術コースの「読む?書く」プログラムから「発表する」への授業展開について、具体的な取り組み事例を紹介しました。
また、同日、本学と紀伊國屋書店との共催で行われた全国大学ビブリオバトル地区決戦では、各ブロックを勝ち抜いてきた代表者6人によるレベルの高いプレゼンテーションが繰り広げられました。本学からは大学祭で行われた予選を勝ち抜いた山崎龍星さん(文学部1年)が出場し、5分間で熱く本の紹介を行いました。結果、山崎さんが紹介した絵本『シオドアとものいうきのこ』が見事チャンプ本に選ばれ、山崎さんは1年生ながら12月に開催される首都決戦への出場を決めました。
11月13日(水)には造本作家?デザイナーの駒形克己氏による色覚ワークショップを開催しました。MELICでは「未来の図書館プロジェクト(MITO)」の第1弾として「からだで読む」をテーマに、色弱者には見分けにくい色紙を組み合わせる駒形氏による本づくりワークショップを実施しました。今回のワークショップでは、こうした共読サポーターズとのワークショップを背景に生まれた駒形氏の著書『MOON PHASE(月の満ち欠け)』を用いて、文字のない色覚絵本にストーリーをつけるという初めての試みを行いました。参加者はこの難題に苦戦している様子も見られましたが、絵から得たイメージをそのままストーリーにしたグループ、物語調にストーリーをつけたグループ、絵の順番を変えたグループなど、自由な発想で個性豊かなワークショップとなりました。最後に駒形氏は、「『障がい』ではなく『ハンディキャップ』という言葉を使い色弱を『個性』としてとらえてほしい」と語りました。
全日程で行われたブース展示では「MITO」の第2弾として「読書スイッチを入れる服」をテーマに開発した読書服をメインに共読空間を再現しました。昨年よりもさらにパワーアップした展示は会場内でもひときわ存在感を見せ、多くの来場者でにぎわいました。ブース内では読書服を着た共読サポーターズが一箱古本市や棚づくり、ビブリオバトルをはじめとした活動内容を紹介し、活動する中で得た自身の経験や本に対する熱い思いなどを交えながら来場者と対話をしました。また、帯づくりワークショップをブース内で開催し、共読サポーターズが帯の書き方を解説しながら実際に参加者に帯を書いていただき、自分の言葉で本を表現する楽しさや難しさを伝えました。岐阜市立図書館館長 吉成信夫氏や共読サポーターズの卒業生などが応援に駆けつけ、読書服を試着するなど学生にとって貴重な交流の場となりました。
今年も図書館総合展の来場者は3日間で3万人を超え、本学のブースにも多くの方にご来場いただきました。ブース来場者からは「毎年楽しみに来ています。いつ来てもワクワクします」「昨年以上に素敵な展示でした。来年も楽しみにしています」「新しい図書館の可能性を垣間見ることができました」など多くの声が寄せられ、今年も大盛況のうちに終了しました。ブースにご来場いただいた皆さま、ありがとうございました。
今後もMELICは「共読」をテーマに学生と教職員が一致団結し、読書の楽しさを社会に発信していきます。