2025年06月20日
2025年6月20日(金)、公益財団法人稲盛財団(理事長 金澤しのぶ氏)の第40回(2025)京都賞受賞者の発表があり、数理工学者である帝京大学先端総合研究機構特任教授 甘利俊一が、先端技術部門(授賞対象分野:情報科学)の受賞をしました。
京都賞は、稲盛財団設立者である稲盛和夫氏が創設した日本発の国際賞です。科学や文明の発展、また人類の精神的深化?高揚に著しい貢献をした方がたを讃えるもので、「先端技術部門」「基礎科学部門」「思想?芸術部門」の3部門からなり、各部門はそれぞれ4分野で構成されています。
授賞式は、2025年11月10日(月)に国立京都国際会館で行われる予定です。
今回、甘利特任教授が受賞した業績は「人工知能の理論的基盤を拓く先駆的貢献と情報幾何学の確立」です。人工ニューラルネットワークにおける先駆的な研究を行うとともに、微分幾何学の手法を用いて統計モデルを研究する情報幾何学の分野を確立して多くの重要な理論を提唱しました。今なお極めて大きな意義を持ち続けており、さまざまな分野に影響を与える理論と応用の両面にわたる貢献をしました。
数理工学を自分なりに建設したいと思い、私はいろいろな構想を夢中で考究してまいりました。その中のふたつを挙げれば、今日の「AIの基礎になる神経回路の学習理論」と、「情報科学の新しい方法論となる情報幾何学」です。これらを自由気ままに研究することができる幸運に恵まれました。何十年か経ってこれらの基礎的な仕事が世に認められ、今回の受賞につながったことには万感胸に迫るものがございます。私の受賞が、これからの若い研究者が自由に羽ばたける助けともなれば幸いでございます。
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