外国語学部のゼミ

外国語学部のゼミでは、外国語を修得するだけでなく、その国の映画や新聞などを題材にして研究することで文化を深く学んだり、各自がテーマを設定し、リサーチをした上で本格的なプレゼンテーションや卒業発表会を行うことを主眼にしています。
英米文学演習
比較文学、アメリカ文学、文学における移動の表象
このゼミでは、ヤングアダルト(YA)文学を中心に作品を読み、学生が自作ポスターを用いたブックトークなどの活動を通して、作品への理解を深めています。YA文学は、友情や家族関係、学校生活、アイデンティティの模索など、若者の成長にかかわるテーマと同時に、人種差別や環境問題など、現代社会の課題も描いています。学生は物語を読み進める中で、自身の経験と登場人物の生き方を比較し、文化や価値観の違いと共通点に気づき、文学作品を多角的分析する力を養うこともできます。比較的読みやすい英語原作を通して、言葉や物語の面白さに触れ、英語学習へのモチベーション向上にもつながります。SNSに時間を取られがちな学生たちに、英語と格闘しながら「これだ」と思える一冊に出会って欲しいという思いで授業をやっています。
国際協力、SDGs(持続可能な開発目標)
差別?偏見と人権、気候変動、海洋汚染、ジェンダー、外国人との共生、フェアトレード、援助とパートナーシップなど
地球規模課題は、途上国だけの問題ではありません。グローバル化が進む今日、世界の国々は相互に影響と依存し、私たちは貧困や紛争、人権や環境問題などさまざまな問題を共有しています。本ゼミでは「持続可能な開発目標(SDGs: Sustainable Development Goals)」を紐解き、私たちに何ができるのか、どのように持続可能な社会を創っていけるかについて研究しています。ゼミ生は、国内外の貧困と格差、労働市場と雇用環境、教育と医療や福祉、地球環境と開発などさまざまな分野から関心のあるテーマを選び、文献?社会調査から得た研究成果を発表します。より幸せで持続可能な社会の創造に向けて、一緒に新しい価値観や解決のアイディアを導き出しましょう。
ドイツ哲学、近現代のドイツ思想
近現代のドイツ哲学、とりわけフッサールの現象学、西洋における食の思想
本セミナーでは、ドイツの文化?思想に関するテーマを、各自が自分の関心にあわせて研究していきます。セミナーの前半では、ドイツの文化に関連するさまざまな文献資料や新聞記事などを各自が調査?報告し、知識を共有します。後半では、それぞれ自分の選んだテーマで個人研究発表を行います。個人研究発表を通して、文献の調べ方、議論の組み立て方、人前で発表する仕方など、社会に出てからも重要な基本スキルを修得することができます。
ドイツ語圏のテクストの翻訳、異文化理解
翻訳実践による日本語とドイツ語の間の差異についての考察
翻訳をする際には、言語と言語の間の不確かな領域をさまようことになります。特に、翻訳不可能ではないかと思われる表現に出会ったときは、慣れ親しんだ言語や文化、さらには自分自身を問い直す貴重な機会となるでしょう。本ゼミの前半は、ドイツ語圏のテクストをグループごとに分担して日本語へ翻訳し、それに基づいて発表とディスカッションを行います。翻訳の過程で生じる課題や気づきを共有しながら、言語の奥深さを探求します。後半は、ドイツ語圏の文化や社会に関するテーマを各自で自由に選び、個人発表を行います。発表後は参加者全員でディスカッションを行い、思考力やコミュニケーション能力を高めます。
現代フランスの時事問題、哲学や文学などのフランス語文献の購読
ジャック?デリダを中心とした現代フランス哲学を専門としていますが、最近はケアの哲学にも興味があります。
本ゼミでは、全員留学プログラムを終えた学生を対象にフランス語圏滞在で高めたフランス語力をさらに向上するために、難しめのフランス語の文章を講読しています。具体的にはヨーロッパ言語参照基準CEFRのB1以上のレベルです。講読を通して、フランス語「を」学ぶフェーズから、フランス語「で」学ぶフェーズにスムーズに移行できるようにしています。フランス語で学ぶとはどのようなことと思われるかもしれませんが、例えばLe Monde紙やLe Figaro紙などの新聞記事、あるいはシモーヌ?ドゥ?ボーヴォワールやモーリス?メルロ=ポンティらの哲学書の抜粋など、日本語で与えられても難しい内容のものをフランス語で読み解く訓練をしています。ただ講読しているだけでは学生も飽きてしまうため、グループに分けてディスカッションやプレゼンテーションを行っています。このアクティブラーニングの取り組みにより3年生と4年生という学年を超えた交流が生まれ、和気あいあいとした雰囲気で活動しているゼミです。
スペイン語圏地域研究、開発学
スペイン語圏の紛争と平和構築、そして麻薬問題を開発論の視点から分析しています。
このゼミでは、スペイン語圏におけるさまざまな社会問題を対象として、自らが問題を設定し、スペイン語を駆使して情報収集を行い、それを分析?発表し、議論をしています。また、スペイン語圏からの留学生やスペイン語圏で活躍する社会人のゲストを招いてのプレゼンテーション、講演、ディスカッションも積極的に行っています。
スペイン語圏地域文化論、民族学
現代のアンデス世界における伝統と近代の融合?変容についての研究
本ゼミでは、広くスペイン語圏の歴史?文化?社会にかかわる現象から問題を発見し、現代世界の事象と関連づけて分析?考察する能力を、輪読や研究発表を通して修得することをめざしています。ゼミ生はスペイン語やスペイン語圏に関するこれまでの学修や実体験を通し、異文化について考えてきています。そこで芽生えた関心や疑問を基に研究テーマを見つけ、関連する文献の講読やテーマの発表とその振り返りをすることで感覚から始まったテーマをより明確な言語にしていきます。言葉にしていくこれら一連の過程を大事にし、物事をていねいに探求する姿勢、スペイン語圏だけでなく現代世界を考察する視点を育んでいきます。
中国語圏地域研究
中国語圏の歴史?社会?文化について自らの知的関心に基づいてテーマを設定し、繰り返しプレゼンテーションを行うことで理解を深め、情報収集能力、論理的思考、表現力を磨きます。
中国語コースにおける学びの集大成として、中華人民共和国、台湾、香港、マカオなど、中国語圏の歴史?社会?文化について、2年をかけて考究すべき課題を自ら発見し、培った中国語能力を運用して情報を収集し、学期内に繰り返し発表を行うことで内容を深めていきます。期末発表はテレビやYouTubeの番組形式でプレゼンを行うことで、説明能力と表現力の向上を図ります。個人の研究発表のほか、中国語圏の話題を取り上げてディスカッションを行うことで地域に対する理解をさらに深めたり、研修等で中国語圏から帝京大学に来る学生と交流したり、学外のコンテストにグループで参加するなど、多彩な活動を通して、高度な中国語運用能力を持つだけでなく、中国語圏の歴史と現在に通じた人材の育成をめざします。
コミュニケーションスキル論、異文化理解など
言語教授技法、異文化理解など
本セミナーでは、主に学生の「論理的な思考力」「考える力」「表現する力」「発信力」「情報収集力」「ディスカッション力」などの基礎能力を身につけることを中心に行います。また、多様な議論を主導するための基礎を学び、社会に出てからさまざまな場面で活躍できるコミュニケーション?スキルが身につくように工夫します。
韓国史
近代朝鮮の教育や学歴主義に関する研究と、現代の韓国と沖縄の関係に関する研究をしています。
本ゼミでは、韓国を舞台に時代の流れとともに変化するさまざまな事柄について調べます。まずは、自分の中で生まれた疑問を言語化し、自分が何に疑問を持っていたのかを明確にします。そして、その疑問は、何をどうやって調べれば解決できるかを一緒に考え、しっかりと調べ物をし、情報を取捨選択したうえで整理します。その結果をゼミ生の前で発表を行うことで、人に自分の考えを伝える練習をします。この一連の作業を通して、社会人生活でも必要なスキルを身につけていきます。